主任とメカから「おまえの話はつまらん!」と怒られてしまいました。
そうは言ってもペダリングモニターを語る上で、「ペダリング効率」の話は避けて通れないので、おさらいしておこうと思います。
ペダリングする、ということはペダルに力を入れてクランクを回すことですね。
クランクはBB軸を中心とした円運動でしか動かせないので、下図のようにクランクに対して直角方向(=接線方向)に赤い矢印のように常に力を入れられれば最も無駄なく力を使って回せます。

ところが、人間の骨格と筋肉構造、脚の重さなどによってこんなきれいには絶対に回せません。なにも意識せずに普通にペダルを「こぐ」と、多分下の絵のような踏んで・上げてのツーストロークに近い運動になっています。

この時のクランクへの力の入り具合を、ペダリングモニター的に表現すると

赤い矢印が、最初の図のようにぐるぐる回る形でなく、ほぼ下向きにそろうようなイメージになります。
この時のペダリングのある一点(黒い点線)部分を右のように拡大して、「クランクを回すのに使われている力」と、「クランクを回すのに全く使われていない力」に分解して考えます。
要は、赤い矢印のぶんだけ力を入れたのに、緑の矢印分の力でしかクランクは回っておらず、青い矢印分の力はクランクをグイっと伸ばす方向に入っちゃってます。
(実際にはクランクはこの程度の力では伸びたりしませんから、緑の力は自転車全体を傾かせたり、フレームをしならせたり、熱になったりでどこかへ逃げちゃってるわけですが)
今まであったパワーメーターは、この「緑の矢印」だけ検出してクランクを実際に回した力を表示していますが、ペダリングモニターがすごいのは、「青い矢印」も検出できるところなんですね。
また、マグネットリングという部品をBBにつけることで、クランクが360度回転する中で、30度ごと計12箇所のどの位置にいるのかも検出できるので、まず緑の矢印と青い矢印を12箇所で別々に検出してから、赤い矢印の大きさを逆算します。
で、ペダリングモニターでは「効率」をどう定義しているかというと
(緑の矢印の大きさ12箇所の合計) ÷ (赤い矢印の大きさ12箇所合計) × 100 = 効率%
ここで注意するのは、緑の矢印は、脚の重さ分をしっかり引き上げられなかったりすると、クランクを回すどころかクランクを逆回転する方向へ力が加わっていることもあり得るので、「クランクを回すとき」=プラス、「クランクを逆回転するとき」=マイナスという正負のある数字になり、その合計になりますね。
ペダルを頑張って踏みつけてみたものの、その力のうちのどんだけクランク回したことになってんのよ?(あるいはどんだけ無駄になってんのよ?)が結構明確に数字として現れます。